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小泉政権第3期実績評価(外交・安全保障) 印刷 Eメール

外交・安全保障

⇒各党の「外交・安全保障」に関する公約(2003)を読む

自民党 公明党
実績 実行課程 説明責任 実績 実行過程 説明責任
10点 15点 5点 5点 10点 5点
30点/100 20点/100

ここでは最初に評価にあたって言論NPOが考慮した視点を説明します。

argaiv1303

■評価の視点


外交・安全保障分野ほど、明確な理念と政策ツリーとしての体系性がマニフェストに問われる分野はありません。それは、この分野が相手のある分野で あり、状況が極めて可変的であるだけに、日本としての優先順位や、何が重要なのかについて、政党と国民の間でしっかりとした合意を形成しておく必要がある からです。マニフェストは、日本の置かれた全体状況を認識し、そこから問題点を摘出し、それに対して現在の日本が置かれている立b場がどうなっているの か、それゆえに対応方針はどうあるべきか、その制約要因は何かという形で詰めていった議論を土台に構成していくべきです。
 

 

■自民党2003マニフェストと小泉外交

 2003マニフェストはイラクへの自衛隊派遣に至る論理立てが十分ではありませんでした。「国際安全保障」と「国家安全保障」のどちらの基本理念 下に自衛隊派遣を行うのか、マニフェストでは論理立てが十分でなく、外交政策についてマニフェストが備えるべき政策体系のツリーをひとつの明確な理念の下 に提示できていませんでした。

 北朝鮮問題については、マニフェストは「拉致、核、ミサイル」の包括的解決を掲げていますが、包括的解決は日本にとっての願望に過ぎず、それが不 可能であれば日本はどうするのか、その場合の優先順位をどう考えるのかという選択肢こそがマニフェストに示されるべき内容です。

 また、近年、小泉政権は国連常任理事国入りに注力しましたが、その達成は果たされていません。こうした重要な日本の動きは、1990年代のクリン トン政権時代から行われているにも関わらず、自民党2003マニフェストは全く触れておらず、国民に対して日本外交のプライオリティーを示すという点で説 明不足です。

 アジアとの関係については、靖国神社参拝により中国、韓国両国との関係が戦後最悪との状況まで悪化したことが外交面での評価を引き下げることになります。
 

■安全保障の論理立てと集団的自衛権

 日本の外交・安全保障政策上のひとつの大きな課題は、日本の安全保障の論理立てをどのように行うのか、ということです。前述の「国際安全保障」で あれば、それは国際平和に向けて日本が一種の国際公共財を提供することが安全保障政策の論理ということになります。しかし、それは、「国家安全保障」の世 界における「日米同盟」の論理とは本質的なギャップがあります。日本が「日米同盟」の下に世界に貢献しているのだとすれば、その論理的帰結は集団的自衛権 を認めることになります。2003年の自民党マニフェストではいずれの論理も十分に整理されず、ギャップが存在するまま特措法で切り抜けたまま、自衛隊の 派遣を行いました。それがその後の外交政策議論を分かりにくくしています。
他方、「国際安全保障」への貢献という理念を究極まで推し進めていっても、集団的自衛権の問題は避けることはできなくなります。日本の常任理事国入りは、 集団的自衛権と表裏一体のはずであり、当然に憲法改正と連動している問題です。安保理は基本的には他国のことで血を流すかどうかを議論する場だからです。 この点を争点にするとすれば、小泉政権が進めようとした常任理事国入りは、結果として集団的自衛権の行使に日本が踏み切らざるを得ない状況に向けた一種の 既成事実化で、自民党が行っている憲法改正論議と整合的です。この点で、自民党の政策には一貫性があるともいえますが、そうした政策体系が国民に理解され る形でマニフェストで説明されたわけではありません。民主党も新マニフェストで常任理事国入りを謳っていますが、集団的自衛権の行使、憲法改正との関係を どのように考えているのかマニフェストでは明示されておらず、論理的整合性を欠いているものと言えます。

 

■外交路線の選択肢の基軸

 現在の日本外交に最も問われているのは、日米同盟路線と東アジア共同体路線の長期的な整合性をどう図るかということです。この点について は、(A)日米グローバルパートナーシップと、(B)東アジア共同体、という2つの座標軸が描かれます。現実には、第一象限(A、Bとも推進)が困難であ ることが見えてきました。そこで、現状は第二象限(Aはやや後退してもBは推進)か、第四象限(Bは停滞してもAを追求)のいずれかで、そこに政党が描く 争点があるべきです。その点について、今回の自民党の新マニフェストには、(B)の東アジア共同体は経済面にとどめ、むしろ(A)を強く指向し、第四象限 に自党のスタンスがあることを示唆しています。民主党の新マニフェストでは、(B)を重視し、日米関係には制限をつけようという点で、第二象限を指向して いることが読み取れます。今の状況を放置しておけば、事態は第四象限に流れていきますから、新たなイニシアチブで取り組むべき日本の課題は、いかにして、 日中関係や日韓関係を改善し、東アジア共同体に少しでも向けていこうとするかということです。こうした視点から見れば、民主党の新マニフェストの方が自民 党よりも高く評価できる面があります。(詳細は新マニフェスト評価ページ参照)

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■総評

自民党については、2003マニフェスト後に進展した事態は、法的な側面や論理立てがそれに追いつかないまま、現状の方が政治的に先行したということです。イラク問題については、国際安全保障などの包括的な論理立ての構築は大きな進展が見られませんでした。但し、それは一方で、イラクへの派遣を始めとする日米基軸の一貫した外交路線がかつてないほど良好な日米関係を実現し、日本がそこから様々な国益を引き出せる状況を生んだことは事実です。また、イラク民主化については選挙の実施等により一応の答えが出されたという成果があったことも事実です。

北朝鮮問題については、マニフェストが日朝国交正常化を大目標として掲げた以上、それに向けての目に見える実質的な成果があったと評価できる状況には至っていません。「包括的解決」といっても、全ての問題もが一挙に解決することはあり得ません。その中で、もし6者協議が決裂した場合は、北朝鮮は核実験に踏み切る可能性は高く、その場合に仮に国連制裁という事態になれば、日朝間での問題解決は不可能になります。

以上、自民党は、日本の外交の理念と体系を整理して国民に提示するには至っていません。北朝鮮の拉致問題対応への気概や「圧力」の構築は説明されていても、6者協議の現実の力学と、その中での日本が置かれている状況についての冷静な認識という肝心な部分が国民に共有されていません。
公明党は、自民党が決めた安全保障政策を基本的に追認してきていますが、どのような観点からそれを追認しているのかという肝心の点が欠け、現在の自民党政権が継続していることの重要なカギを握っている政党であるにも関わらず、その説明責任が果たされていません。安全保障のハードな部分を意図的に避け、それは自民党に任せて自分達はソフトな部分を担当し、「優しさによる平和追求」を唱える、それが選挙対策としても有利と判断しているとも解釈されます。与党としての責任、政権担当能力を疑われるマニフェストでした。

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1.マニフェストの実績
実績についてみてみると、論理立てが現実に追いつかないまま自衛隊派遣が政治的に先行しましたが、自衛隊派遣などの日米基軸の一貫した外交路線はかつてないほどの良好な日米関係を実現し、日本がそこから様々な国益を引き出せる状況を生んだことは事実です。イラクの治安は未だに不安定で、テロの脅威が国際社会を覆っている状況は続いていますが、アメリカがイラク攻撃をしてしまった以上、イラクの戦後処理をきちんとすることは国際社会の安定のために極めて重要であったし、自衛隊派遣によるイラクの復興支援が国際社会で評価され、イラク民主化も選挙の実施など一応の答えが出されたという成果があがったことも事実です。

北朝鮮問題については、拉致問題の被害者家族の一部帰国が実現したのはマニフェストに沿った一つの進捗として評価できますが、マニフェストが大目標として掲げた日朝国交正常化は実質的な成果があったと評価できる状況には至っていません。核問題の解決は全て6者協議の進捗次第で、拉致問題は日朝の問題ではあるが6者協議がまとまることが前提です。ミサイル問題については、発射、開発、配備の各々に問題はありますが、輸出の問題を除いてこの地域に解決メカニズムは存在しないといったように、問題ごとに解決の枠組みは異なっており、「包括的解決」といっても全ての問題が一挙に解決することはありえない状況です。仮に6者協議が決裂した場合、北朝鮮は核実験に踏み切る可能性が高く、その場合に国連制裁が行われるとなると、日朝間における問題解決は不可能となります。
現実的には北朝鮮の問題を国連安保理にもっていくことは中国、ロシアの反対で困難ですが、日米の枠組みで解決することも可能性としては低く、核の問題は抜本的な解決策が出ずに、かなり先まで長引くものと思われます。そのため、日本が日朝国交正常化交渉を再開するタイミングは現時点ではますます想定しにくくなっています。また、現在6者協議は核の「平和利用」に焦点が移っていますが、それについて日米の認識と韓国、中国、ロシアの認識が異なり、北朝鮮はそれを利用しようとしており、6者協議の進展を阻害する要因となっています。6者協議が実際に核開発に歯止めをかける成果を挙げたわけでもなく、この間に北朝鮮は核保有を宣言するまでに至っています。時間がかかるほど日本にとってミサイルのリスクは大きくなっています。自民2003マニフェストは、この評価時点の状況で判断すると北朝鮮問題に対する気概を表明したものに過ぎず、6者協議の実際の力学を無視していたため、当初想定したようにその後の実行過程が進んだとはいえません。

安保理常任理事国入り問題については、2003マニフェストでは触れられていませんでしたが、その後
外交を動かしましたが、中国などアジア諸国でも支持は得られず実現には至っていません。この課題に対する取り組みはクリントン政権当時から始められていましたが、その進め方、手段、戦術の検討が本当に行われたかどうか疑問が残ります。

2.マニフェストの実行過程
前記の通り、イラク問題については、日米同盟路線に即した実行過程という点では評価できますが、国際安全保障などの包括的な論理立ての構築は大きな進展が見られません。北朝鮮問題については、国内世論向け対策として外為法改正など「対話と圧力」のうちの圧力の手段を整えるなどの進展が見られましたが、マニフェストに掲げた目標との関連では実行過程がほとんど機能していません。

3.マニフェストの説明責任
国際平和協力のための基本法の制定に向けて検討は進んでいますが、現実に進んでいる事態との関連で、国民に対して、日本の外交の理念と体系を整理して提示するには至っていません。北朝鮮問題については、拉致問題対応への気概や「圧力」の構築は説明されていても、6者協議の現実の力学と、その中での日本が置かれている状況についての冷静な認識という肝心な部分が国民に共有されるには至っていません。

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1.マニフェストの実績
公明党2003マニフェストには、全体的な理念や思想、政策体系がみられません。どのような観点から自民党の安全保障政策を追認しているのか、という肝心なことについての説明責任が果たされていません。安全保障のハードな部分を意図的に避け、それを自民党に任せて自らは「優しさによる平和追求」を唱えており、与党としての責任、政権担当能力についての疑問が残ります。

2.マニフェストの実行過程
誰もが反対しない「優しさによる平和追求」の最大の制約は予算です。その後、予算を獲得できた措置も多いですが、施策の上流に位置する全体的な理念目標などとの整合性は判断できず、目標の実現手段となる措置それ自体を評価することは現時点ではできません。

3.マニフェストの説明責任
「優しさによる平和追求」の個々の措置の現状と課題はHPなどで説明されていますが、自民党の政策をどのような観点から追認してきたのかという体系立った論理的な説明が行われておらず、この最も肝心な点で説明責任が果たされていません。

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